何という奇遇、超ラッキー。
「うん、大歓迎!あたし達も数困ってたんだぁ!」
入ってくるのが知ってる子でよかった。
そう思うと、またテンションが上がる。
「てか10クラスもあんのに、元1組メンツ多くない?」
と佳耶。
確かに、多い。
「まあええやん!てか、田中さん、だよね?うち宮下愛実って言うんや。よろしくな」
マナは佳耶みたいにサバサバしていて、頼りになる子。
高校になって関西から引っ越してきたから、まだなまりが抜け切れていない。
方便と標準語が混ざっている話し方をする。
「あ、えと、須藤優華です。田中さん、仲良くしてくれると嬉しいです」
優は流菜ちゃんタイプのかわいい子。
でも流菜ちゃんより、見た目も精神年齢も幼い気がする。
見た目はお人形さんみたいで、守ってあげたくなる感じ。
極度の人見知りで、普段は明るいけど、慣れない人とは仲良くならなきゃ敬語が抜けない。
「知っての通り、田中流菜だよ~。2人とも、流菜って呼んでね!流菜も2人のこと名前で呼んでいい?」
流菜ちゃんは人見知りなんて皆無。
「ええよええよ~。てか優華も普通に話したら?」
「だってー、緊張するんだもん。それにあたし、愛実みたいに関西魂持ってるわけじゃないもん」
「なんや関西魂って」
「え~?誰とでも打ち解けれる、大阪のオバちゃんみたいな」
「・・・褒めてるん?けなしてるん?」
「超!褒め言葉だよ~」