どこのクラスも、熱気が凄い。
円になって作戦会議をしてたり、廊下でバトンパスの練習をしてたり。
去年同様、本番になって初めて『体育祭だ~』と実感する。
「おはよー」
あいさつが全くと言っていいほど聞こえないくらい、あたしのクラスもにぎわっていた。
「あ、南美おはよ」
声のする方を見てみると、珍しく髪の毛を上げている佳耶。
あたしみたいにおだんごにしてるんだけど・・・。
「佳耶、なんかキャバ嬢みたい・・・」
「はあ?」
髪、ほぼ金色だし。
おだんごって言っても、緩く髪を巻いて柔らかい感じになってるし。
後れ毛も、巻いてあるし。
「佳耶、それ走ったりして崩れない?」
「多分大丈夫。ピンたくさん使ってるし、ケープで固めてるから」
「・・・そう?」
「うん。・・・ていうか大丈夫だって信じたい」
そんな会話をしていると、流菜ちゃんが教室に入ってきた。
流菜ちゃんは赤茶色のその前髪を、ゴムで上げていた。
これも珍しい。
流菜ちゃんが来てすぐ、クラスで円になった。
佳耶と流菜ちゃんにそっと耳打ちする。
「なんかこういうの、青春って感じしない?」
「・・・南美、謎」
と佳耶。
「そうかな、でも、南美ちゃんらしい」
と流菜ちゃん。
どう考えても青春でしょ。