あたし1人がどんなに悩んでいたとしても、世界はお構いなしにまわり続ける。
今だってほら・・・。
「バッカじゃないの。ありえないから」
「お前、やっぱうぜー」
「アンタには負けるよ」
目の前で佳耶と神崎涼が話をしている。
神崎涼はあたしの隣。
佳耶があたしの席に来ると、2人は必然的に顔を合わせることになる。
何という皮肉。
佳耶は美人だし神崎涼だってかっこいいし、絵になりすぎてるこの2人。
「佳耶ちゃんと神崎君、仲よくなったよね」
「「それはない」」
あたしの隣で流菜ちゃんが2人を微笑ましそうに見ている。
いつもなら気にも留めないそんな言葉も、今のあたしにとってはまさに凶器そのもの。
胸がえぐれてしまうような思いになる。
この2人のツーショットを目に入れるたびに、たまらなく惨めになる。
何で、こんな思いまでして神崎涼のことが諦められないんだろう。
佳耶と比べたら、明らかにあたしの方が劣っているのに。
そもそも神崎涼のことを好きになったあたしに問題があるんだ。
・・・色々な思いが、頭の中でゴチャゴチャと混ざる。
深く考えれば考えるほど、深く心が沈んでいくのを感じた。