体育館に行く途中に佳耶にたくさん愚痴られた。


「あーりーえーなーいー!」


・・・そこまで?


「佳耶考えすぎじゃない?」


「何かねー、ああいうの無理!国家が認めようとも、あたしは認めない!」


そう言う佳耶の形のいい眉毛は、逆ハの字になっていた。


すさまじいなあ。


「例えばどんなとこが?」


「んー、何か人生を我がもの顔でずんずん歩いてるところとか」


・・・自己中心的ってこと?


「あとねえ、人の生き様をバカにしそうな所」


少し分かるかもしれない。


あたしもそれはちょっとなあ。


「ていうか、1年のときから神崎涼の噂たくさんまわってきたじゃん!」


「あー、そうだったかも」


なんかいろいろと悪い噂が・・・。


1年の時は神崎涼とは何も接点がなかったけど、結構目立ってたから顔はなんとなく知っていた。


・・・おおよその性格も。


「あそこらへんからもうイメージ最悪!」


「でも噂だよ?」


もしかしたら、その噂に嘘とかあるかもしれないし。


根はいい奴かもしれないし。