「てめーらうっせぇよ!ぶっとばすぞ!」
そして神崎涼が笑いながら叫んだ直後、教室がざわざわし始め、
「いい加減にしろやぁっ!!」
弱メンも叫んだ。
またもや静まり返る教室。
・・・めまぐるしい。
そして教室の気温の変わりようが半端ない。
「神崎、遅刻の理由は?」
弱メンが眉間に皺を寄せながら静かに聞いた。
神崎涼は悪びれる様子もなく、
「寝坊っす」
能天気に答えた。
そしてその後、
「ふあぁ・・・」
あくびをして伸びもした。
「もう始業式始まるまで時間がないから、速やかに体育館へ向かえ」
弱メンはそれだけ言って教室を出て行った。
あの人、この1年間ストレスでしわ増えるだろうなあ。
弱メンの背中を見送りながら、そう思った。
この時は、これから先、
こんなにも神崎涼と深く関わって、
こんなにも頭を悩ますなんて、
思いもしなかった。