あたしのそんな思いも虚しく2人は、俗に言うガールズトークの対にあたるボーイズトークを始めた。
「だって相手がてんとう虫柄の着けてたらどうすんだよ」
「今どきてんとう虫なんかねぇから」
「じゃあうさぎ柄」
「あー、それはダサいかも」
・・・・・・ぶち。
あたしの中で、羞恥の糸が音を立てて切れた。
「女の子の前でそんな事を熱烈に話し合わないでよ!」
あたしは机をバンバン叩きながら2人を睨んだ。
「いや、別にそんなに熱く語ってねぇし」
何もなかったかのように、爽やかな顔でそう言ったのは神崎涼。
「そうそう、いっつもはほら、例えば・・・・・・」
「お前は黙れ」
「いてっ」
尾崎君は何かを口走ろうとして、神崎涼に蹴られていた。
何でそういう事しか頭にないのかな~・・・。
ふと佳耶の顔が目に入る。
普通に笑って、2人と話している。
あの日、佳耶から本当のことを聞いて、その直後にあたしが神崎涼と隣の席になったんだ。
その時は、どうしようかと切実に悩んだ。
だけど佳耶があたしにくれた言葉のお陰で、凄く楽になれたんだ。