次の日の放課後、流菜ちゃんはリスニング対策用のCDを持ってきた。
「え!?嘘、流菜ちゃんそんなの持ってんの?あたしもやりたい」
そして、それに感動した佳耶も飛び入り参加することになった。
でも流菜ちゃんは用意周到。
「見てー!念のためにCDプレーヤーも持ってきたのー、ちょっと古いけど」
複数で聞くことができるように、CDプレーヤーまで持ってきていた。
さすがに図書室で英文を流すことはできないから、しかたなく空き部屋に入った。
「準備室・・・ってなんの準備なんだろー?」
ドアの上の方にに掲げてある小さな札を見た流菜ちゃんがポツリとこぼした。
正体不明の準備室は、近頃使われてないように思えた。
全体に薄いほこりがかかってるし、ボロボロのソファーなどが適当に積まれて物置みたいになっていた。
「ここに座るのはちょと・・・」
という佳耶の発言で床を少しばかり掃くことにした。
そしてほうきを取るべく掃除用具入れを開けた瞬間、
「・・・げっほ・・・・・・」
ブワッという音がピッタリな感じで、中からほこりが出てきた。
入り口のドアを開け、なんとか窓も開けて急いで換気する。
「チッ!掃除しろよバカが!」
そして佳耶はそう言いながら、廊下に出て制服をはたいた。
佳耶、落ち着いてー!
その後適当に床を掃いてしっかり換気をし、やっと勉強という本題に入ることができた。
窓を開けてしまったので、室内は6月中旬のジトッとした空気に包まれる。
・・・いい迷惑。