「佳耶あぁ!!数学はもう完璧!昨日ワークやったんだけど、半分正解だったぁ!応用問題も1つできたのー!!」


テストまであと1週間。


順調に5教科を攻略中。


特に数学が楽しいのー!


前はあんなにできなかったし、嫌いだったのに!


「うん、毎日聞いてるから。ていうか、それはつまり半分間違ってるってことだよね?まだ完璧じゃないじゃん」


佳耶のごもっともな指摘を受けて、地団太を踏む。


「そうだけどー!いいんですー、半分できて応用も少し解けるようになったんだからいいんですー!」


そういじけるあたしを見て佳耶は笑った。


流菜ちゃんが専属でついている英語も、だんだん基礎がしっかりできてきたし。


国語と理科と社会もコツコツ頑張ってる。


今回のテスト今までで1番いいかも、かなりいける気がするー!


なんて淡い期待さえも胸にある、あたしがいる。


「あ、やば。もうすぐで昼休憩終わるよ?早く教室帰ろー!」


時計を見た佳耶が慌てて教科書や参考書をまとめる。


「次、なんだっけ?」


あたしは佳耶と同じように教科書達を腕の中に収めながら、ひとり言のようにつぶやいた。


「えぇーっと、なんだっけー?・・・あ、たしか社会だった気がする」


隣で聞いていた流菜ちゃんが答えた。


「えー、弱メンの授業ー?」


あたしは素直なままの感想をこぼして、2人と一緒に図書室を後にした。