ガタ――――ン!!
「おおお!!涼と櫂、見ぃーっけ!!」
ドアに異常が起きたような大きな音が図書室に響いて我に帰る。
図書室の入り口では金色の短髪で比較的小柄な男子が立っていた。
そういえば、
「うげっ!!慎弥・・・・・・もしかして鬼?・・・だよな、雰囲気的に」
尾崎君と神崎涼、鬼ごっこ中だったんだよね?
結構な時間ここで和んでたけど・・・よかったのかな。
「せーかい!・・・じゃあそろそろ鬼、交代しようか!」
そう言ってこっちに向かって思いっきり走ってくる、慎弥と呼ばれた男子生徒。
「はー!?無理に決まってんだろ、チービ!じゃあね、みんな」
尾崎君はそう言うと入り口に向かって走っていった。
神崎涼はいつの間にかいなくなっていた。
慎弥という男子が狙うターゲットはただ1人。
「はあ?涼どこ行ったんだよ?ちくしょ、見捨てやがってぇ!!」
あたふたする尾崎君。
結局、
「おっしゃぁ!じゃーな櫂!お前鬼だからなー!!」
「くそったれぇ!!」
尾崎君が鬼になった。
そして思いっきり地面を蹴り上げて、図書室を後にした。