それからしばらく神崎涼と尾崎君はあたし達のところにいた。
「南美ちゃん、これ分かんないのー?まあ俺も余裕で分かんねえけど」
って尾崎君に言われたり。
「あ、そういえば藤井ってバカなんだっけ」
って神崎涼に言われたり。
そして、
「頭悪い仲間ー!バカ上等」
なんて尾崎君と同盟を組んだりもした。
くだらないことを話したりして楽しかった、といえば楽しかった。
だけど、
「え、佳耶ちゃんって頭いいわけ?」
「まあ、そこそこ?」
「いや、こいつすげぇ頭いいよ」
「流菜ちゃんは英語だけ得意とか・・・おもしろいんだけど」
「え、そうかなぁ?」
「変わった奴・・・」
佳耶と流菜ちゃんが少しでも2人と話してると、どうしても意識しちゃうんだ。
どうすることもできない、聞き分けの悪いあたしの心。
自分の醜い気持ちに目を向ければ向けるほど、悲しくなる。
この楽しい雰囲気の中で、あたしの感情だけが場違いな気がして。
こんな醜い気持ち、早く消えてほしいよ・・・。