その爆音と共に入ってきたのは、
「・・・っあれ、南美ちゃんと流菜ちゃんと佳耶ちゃん?」
紛れもない、尾崎君と神崎涼。
尾崎君に名前を呼ばれた佳耶は顔をしかめて、
「だからなんで勝手に名前を呼んでるわけよ?」
とつぶやいた。
図書室にいた周りの生徒達も目を丸くして、登場した2人を見ていた。
しばらくシーンとしていた図書室で1番に口を開いたのは流菜ちゃんだった。
「ええー?尾崎君達、なんでここにいるのー?」
初めに出る疑問はやっぱりそれだよね。
聞かれた尾崎君は、緩めているネクタイに指を引っ掛けて更に緩めながら答えた。
「ああ、鬼ごっこしてた。だからもう暑すぎて死ぬ」
答えた赤茶色の彼はワイシャツを手で動かして、中に風を送りこんでいた。
ネクタイ緩いし、ワイシャツのボタンは第2や第3まで開いてるし・・・。
・・・直視できない・・・。
「あれ?涼、俺ブレザーどこやったっけ?」
そう言う尾崎君と、質問された神崎涼はブレザーを着ていない。
「知らねぇよ。俺途中でどっかに捨ててきたから後から探さねぇと」
神崎涼も尾崎君と同様、直視できない状態。
こうして見てみると、神崎涼の方が少し色が白い。
・・・いや、どこに注目してんのあたし。