「・・・流菜ちゃんの仕事について・・・なんだけどさ?」
「うん?」
「流菜ちゃんって、まだ高校生じゃん?面接のときとか、どうしたのかなぁ・・・って思って・・・」
そんなあたしの質問にも、流菜ちゃんは嫌な顔1つせずに答えてくれた。
「んー?あ、そういえば言ってなかったかもしれない。もちろん偽装だよー。ていうかそこまで疑い深く聞かれたりしなかったんだぁ・・・。『顔と身体がいいからオッケー』って面接のオジサンに言われたんだよね。そのときはもう鳥肌立っちゃったよ!結局、お店も儲けのほうが大事なんじゃない?」
凄く平然な態度で話してくれたけど・・・なんだか悪いことをした気分になって、
「・・・なんか、ごめんね?」
あたしは無意識のうちに流菜ちゃんに謝っていた。
そうしたら流菜ちゃんは腕を振って、
「ううん、全然いいよ!むしろ嬉しいかな・・・?もう流菜は2人のこと信じてるから、なんでも聞いて欲しいよ?」
って笑ってくれた。
「あ、それともう1つ。お店がアリバイ作ってくれるから、学校にはばれないんだ!だから安心!」
流菜ちゃんはそう言ってガッツポーズをした。
・・・つまり、お店と学校の2つを騙してるってわけだよね?
今は笑ってるけど本当は『いつかばれるんじゃないか』って、心の奥でビクビクしてるんじゃないかな・・・?
勝手なあたしの推測。
そして最後に流菜ちゃんは頬を赤く染めて、キラキラの笑顔でこう言ったんだ。
「それに流菜、今の仕事のお陰で大切な人ができたんだ!大好きな彼氏!だから、今は仕事が嫌じゃないんだぁ!」
眩しいくらい幸せそうな顔をしていた。