「流菜ちゃん、苦手な教科と得意な教科教えてー?」


図書室に着いてすぐに、佳耶が毎度お馴染みの参考書などを出しながら流菜ちゃんに尋ねる。


「うーん、苦手なのはやっぱり理数かなぁ?得意、っていうか好きなのは英語!」


好きな教科があるんだぁ・・・。


唯一学級活動だけが好きなあたしは、なんだか置いていかれた気分。


「流菜ね、英語に関わる仕事したいんだ!通訳とかキャビンアテンダントとか。理由はあんまりないんだけど・・・でもしてみたいんだぁ!」


そう話す流菜ちゃんは凄く生き生きとしていた。


そして、


「あ、でもまだまだ全然勉強不足だからこれから頑張るの!それで資格とかも取りたいなぁ・・・なんて」


そう照れながら付け足した。


資格・・・かぁ・・・。


・・・ん?


・・・・・・資格?


資格・・・。


そういえば、流菜ちゃんって・・・。


少し引っかかる節があって、遠慮がちに流菜ちゃんに聞いてみた。


「あのさ・・・?流菜ちゃんに1つ聞きたいことがあるんだけど・・・」


「なぁにー?」


そんな笑顔を向けられると言いにくくなるよー・・・。


「勉強には関係ないんだけど・・・。あ、あと・・・いや、気分悪くしちゃったら本当にごめんなさいなんだけど・・・」


タジタジという擬音語が似合うような言い方をするあたしに、流菜ちゃんは頭の上にクエスチョンマークを並べる。