バンッ!!


思わず耳をふさぎたくなるような大きな音を立てた教卓。


いきなりのことに、あたし達の笑いもピタリと収まった。


そして何事かと思い振り向いて前を向くと、どうやら数学のオバさんが両手で教卓を叩いたようだった。


そしてそのポーズのまま、かすかに震えていた。


え、泣いてるのかなぁ・・・?


いい年して生徒の前で泣いちゃダメでしょ・・・。


でもそんなあたしの心配は見事にはずれ、


「アンタ達ー!!さっきからうるっさいわよ!!授業後廊下に出なさあぁーい!!」


オバさんの甲高い声が教室に響いた。


あ、やばーい!


授業はちゃんと聞くって決めたのにぃ!


ていうかもう授業始まってたの!?


そしてふと絡まる佳耶との視線。


あの目は・・・呆れてますよ、プラス絶対怒ってますよおぉぉ!


ひいいいい、目力半端ないから!


もう最悪ー。



その後の数学の授業は、一応真面目に聞いた。


佳耶と約束したし、聞いておかなきゃ本当に大変だから。


尾崎君は、


「・・・あんのクソなすび頭」


とかなんとか言ってふんぞりかえってたけど。


まぁ、なすびみたいだけどね?


凄く分かるけどね?


それは心の中に秘めておこうよ・・・。