チャイムギリギリに約束のページを終わらせ、駆け足で教室に戻る。


教室に戻ったとき、教卓の向こう側にいたのは・・・。


「・・・げっ・・・」


ヒステリックな、あの数学のオバさん。


な、なにこの仕打ち・・・。


また数学ー・・・?


大袈裟に溜め息をつきながら席に着く。


すでに席に着いていた流菜ちゃんが、あたしに声をかけてきた。


「南美ちゃーん、どーしたの?」


流菜ちゃんのクリクリの目はいつ見てもホレボレする。


「うん、さっきまで図書室で数学の勉強しててさぁ・・・帰ってきてみたら5時間目も数学だったんだもん。頭パンクするしー・・・」


あたしは流菜ちゃんの机に突っ伏しながら返事をする。


「え!勉強してたのー?偉いー!」


すると流菜ちゃんは口に手をあてながら声をあげて驚いた。


え、そこまで意外?


「そー、あたし頭ヤバイからさぁ・・・。佳耶に勉強教えてもらうことにしたんだ」


そしてハハハと苦笑い。


「えー・・・じゃあ流菜もお願いしていいかなぁ・・・?」


「え、何を?」


条件反射でパッと頭を上げた。


「佳耶ちゃんに勉強教えてもらうの・・・・・・ダメかな・・・?」


流菜ちゃんは眉をハの字に垂れ下げた。