この頃は真面目に授業を聞いてるつもりだし、しっかりノートだってとってるのに・・・。
「南美、ここが平行だからXとこの線分が・・・」
分からないったらありゃしない。
今は弁当後の昼休み。
この間の佳耶の予告どおり、スパルタな勉強が続いていた。
あたし達が来るたびに、図書室の机の一角にはたくさんの参考書や教科書が山のようにひろがる。
英語に国語に理科に社会、そして数学。
見ているだけでげんなりする。
もしかしたらこれで少しばかり体重が落ちるかもしれない。
そう思ったのも、今日でもう何回目なんだろう?
「ねぇ佳耶ぁー、もう数学終わりにしないー?もうずっと数学じゃん。他のもやんなきゃじゃない?」
頬杖をついて、ぼやくように佳耶に言う。
すると佳耶は物凄い目力であたしを見て、
「はあ?南美、まだ1問も解けてないじゃん。基本くらいちゃんとできるようにならなきゃ話にならないから。まだ応用もやらなきゃいけないんだからね?」
と呆れたように言う。
分かってるけどさ~・・・。
「じゃあさ、放課後は他の教科やろうよー。あたし古文もかなり危ない」
気だるげにあたしが提案する。
「うん、分かった。・・・・・・けど、このページが昼のうちに終わったらだからね?」
厳しい条件を付けながらも、佳耶は承諾してくれた。
数学ばっかりやってたら、疲労で頭が機能しなくなっちゃうよー・・・。