「南美の場合、得意な科目を伸ばした方が得点が上がる気がしたんだけど・・・。やっぱり苦手教科、っていうか数学を潰した方がいいのかもね」


佳耶もあたしと同じように苦笑いをした。


・・・のもつかの間。


すぐに、意地の悪い笑みを浮かべた。


この顔をするときは佳耶、ロクなことしないんだよね・・・。


「ふふん、南美!覚悟しておきなよ!あたし、数学担当のあのオバさんより厳しいからね!明日からテスト直前までスパルタでいくからね、後悔しないでよ!」


そう言って佳耶は参考書や教科書を鞄に入れ始めた。


あれ、今日はもう終わりなの?


佳耶はあたしが思ってることに答えるような発言をする。


「あ、明日いろいろ持ってくるからね!今日はもうお終い」


そしてパーフェクトな笑顔を作る。


その笑顔が逆に怖いの、佳耶自身分かってるのかなぁ・・・?


明日、どれだけ厳しい佳耶のレッスンが待っているのか・・・。


考えるだけで、苦笑が顔ににじみ出る。


よし、こうなったら意地でも5教科の総合点上げてやる!


んでもって補習をまぬがれて、夏休みをエンジョイしまくってみせるんだから!


帰り道に自転車をひいている途中、内心メラメラ燃えつつ、1人決意を固めていた。