あたしはまたされるがままに、
椅子に座らせられた。
鏡を見ると、見るも無惨な髪型になっていた。
すごくショックだった。
あたしの大切な髪が‥‥
「てきとうに似合う髪型にしてやって。」
川崎くんがそう言うと、
美容師はニコッと笑ってあたしの髪をいじり始めた。
それからどれくらいの時間がたっただろう。
最初のバサバサな髪を見てから、
鏡を見ることができなくて、
ずっと下を向いていた。
「はい、終わりましたよ。」
そう言われ、恐る恐る鏡を見た。
「‥‥‥」
「おっできたか。うん、さっきよりはマシだな。帰るぞ。」
川崎くんはそう言ってさっさとレジに向かい、お会計を済ませていた。