「うぅ…これで頭悪くなったらどうするんだ……」

「今のままでも十分悪い気がしますけどね」


独りごとのつもりで呟いた言葉にも、即座に反応する神谷くん。

超毒舌。


あたしは額を押さえていた手をクワッ(これ→щ(゚Д゚щ))という形にして、神谷くんへと振り返る。


「キミね、あたしが先輩だと言うことを忘れて――…」


最後まで言えなかった理由。


額に冷たい何かが当てられたから。

そしてそれが、


「……よかったですね、俺の手が冷たくて」


神谷くんの手だったから。

たしかに、ひんやりとしてて気持ちいい。

強打して熱を持っているあたしの額にとっては、ありがたいその体温。