神谷くんは片足を椅子に乗せ、その膝に手を置いて、手の甲に顎を乗せる。

超リラックスしてやがる。

そんな格好で、ヤツは。


「だって、俺のせいで熱が出たんでしょ?」


フッと、意地悪く笑う。

あたしがムカついて言った言葉を逆手に取るとは…!

侮れないな、後輩。

あたしは再び手刀を切る。


「いや、それはキミにちょっとムカついてだな…」

「……ふぅん…。ムカついた、ですか」

「ハッ!」


カチンッとブンブン振っていた右手が固まる。

神谷くんの口角が持ち上がる。

すっげー余裕な顔してやがるぞコイツ!


“さぁて、どうやってイジメてやろうかな”


的な雰囲気の笑み浮かべてるぞコイツ!