「…キミは何故にずっと居るのかね?」
「居ちゃ悪いですか?」
「…や、悪かないけど…ホラ、絆創膏が欲しくて来たんでしょ?」
「そうですけど、それより気になることができたので」
「気になること?」
理解できなかったあたしが復唱すると、神谷くんはカーテンから手を離し、
近くにあった椅子をベッド脇に寄せて、何を思ったか椅子に座った。
きょとんとしているあたしに、神谷くんは。
「先輩が気になるんで、ここに居ます」
……なんだって?
「あたしが、気になる…?」
「はい」
「いやいやいやいや。気にする理由がわからないぜ、少年」
右手を布団から出してブンブンと手刀を切ってみせるあたし。