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「松永ぁっ!!さっさと答えろっ!!!」
「…………」
「松永っ!!!!」
「はいっ!!а≦-3です…」
「……正解」
はぁ…………
「美〜央さっすが♪」
「由希ぃ……っ」
隣の席で私の親友の由希が小声で話し掛けてきた。
「美央、今日はどんな妄想してたのさぁ?片山ご機嫌ナナメになっちゃったじゃん。」
「バレてタ?」
由希はイタズラな笑顔を私に向けながら数学教師である片山を指差した。
由希の指差す方をみるとクラスの弱そうな男子が答えられないと言う理由で胸ぐらを掴みあげられている…
「かわいそー…」
「美央のせーだよ?」
「え゙」
「それより今日は?」
由希は私の話を聞きたがる。
「えーっとね…授業中に男の子がバーンって入ってきて私を連れ出すの♪」
「あーははははははっ!!!!!ありーえないっ!!!あはははっ」
話さなきゃ良かった…
いつものことながらどうして私はこんなに学習能力というものが無いのか…
「いーもん。」
「でもさ、美央そんな妄想ばっかしてても彼氏は出来ないよー?せっかく…そんな可愛いのに…」
「可愛くないもんっ!!」
あ……
つい、声を張り上げてしまった…
「…松永〜何だ?それは授業に関係のある話かぁ!?質問ならっ…」
ヤバイ…こうなった片山は誰にも止められない…
「松永ぁ!!!!聞いてんの……」
―ガタンっ―
「センセー…うっせぇから声はってんじゃねぇょ…」
「…んだと本城ぉ!!!」
助かった………
本城君…。
ちょっとコワイ人。
皆、カッコいいって言ってる。
確かにかっこいいけど…
正直何考えてるか分からなくてとっつきにくい感じ。
でも、今確かに…
私のこと…助けてくれたよね?
先生にたたされた本城君の後ろ姿にピースサインの手を見つけたのは多分…
きっと私だけ…。