「確かに副会長…、鈴木さんは可愛くて、仕事もできるかもだけど、紫音の気持ちは誰にも負けてないよ。」
見てるこっちにまで、紫音の気持ちが伝わってくる。だなんて言いながら笑う世奈のおかげで、少しだけ、ほんの少しだけだけれど、いつもの強気な自分を思いだした。
「そうだね、ありがとう世奈。
こんなの、あたしらしくない。」
「え、ちょっと……。紫音!?」
呼び止める世奈の声を背中に、カバンを掴んで教室を飛び出す。
もちろん、行き先はただ一つ…
変な噂に振り回されて、ヘコんで、落ち込んで、勝手にネガティブになって…
そんなに気になるなら、うじうじするくらいなら、本人に直接聞けばいい。
きっとそっちの方が、よっぽどあたしらしいから。
