そして数分の間の後、この沈黙は隼人の声によって破られた。


「……世奈、これから俺が何を話そうと、変な誤解しないで話を聞けよ。いいか?」

「…?いい、けど。」


意味深な言い回しをした隼人に返される、世奈の微かに震えた声。明らかに少し、世奈が動揺したのがわかった。

そして、隼人は一体、どんな誤解を生んでしまうような話をするつもりなのかと、あたしも耳を傾ける。


「ん。なら話すぜ?…まず、世奈も知ってると思うけど、俺と紫音はいとこで家も隣同士。小せぇ頃から一緒に居てさ、ぶっちゃけ俺、あいつのこと好きなんじゃねぇかなって、そう思ってた。」


……隼人が、あたしのことを好きかもって?

そんなの知らない。
っていうか隼人、そんなにサラっと世奈に何てこと言っちゃってんの。
どうやら今のは世奈にも予想外な告白だったらしく、小さく「…え?」と漏らされた声が聞こえた。