そして振り返った視線の先、捉えたのはゆっくりと歩み寄って来る鈴木さんの姿。


「ごめんなさい。急に呼び止めたりして。」


そう紡がれた言葉に、全くだ。とは、さすがに言えなかったけれど。


「別にいいけど。……あたしに何か用?」


この前といい、今日といい……、まるで見計らったように話し掛けてくるのは何で?
用があるならあるで、単刀直入に言ってくれればいいのに。

そんなあたしの内心が表情に出てしまったのか、鈴木さんがわざとらしく、申し訳なさそうに肩を竦めてみせた。