「…―――、という訳で、明日は閉祭式の後、後片付けな。んじゃ、今日は解散。」
手持ちの資料をパラパラとめくりながらそう言い、忙しなく教室を出ていった担任。
「…んじゃ、世奈。あたし、寄るところあるから、お先に。」
「ん? ああ。じゃあね。」
一応世奈だけには声をかけ、あたしも担任のあとを追うように出口へと向かう。
大きく背伸びをしたり、深く息を吐き出したり。様々なクラスメートの姿を横目で見ながら、教室を出た。
もちろん、目的地はあそこしかない。
逸る気持ちを抑え切れず、次第に早くなる歩み。気づいたときには走り出していたせいか、生徒会室の前に着いた頃には肩で息をしている有様だった。