気づけば先程よりも人が減っていた廊下を通り、来たときとは逆に中央階段を下りて体育館ヘと向かう。

玄関へと向かっていく一般客と数人すれ違いながら体育館ヘと続く廊下を進めば、ちょうど体育館から出てきた世奈と遭遇した。


「どうだった? 演劇。」

「うん。悪くは無かったけど、最優秀賞とれるかは危ういかな。内容的に、6組の方が良かったと思う。」

「そっか。」


そして世奈の演劇論評を聞きながら、自分達の教室へと足を向ける。最終日の今日は昨日よりも早く切り上げられるので、これから各教室に一旦集合し、各自解散となるからだ。


「…――だから、総合第一位も届かない訳じゃないのよ、別に。」

「ふぅん。」

「楽しみね、明日の閉祭式兼結果発表。」


やけに楽しそうな世奈とは対照的なあたしには、すでに世奈の言葉半分も耳には届いていなくて。 適当に相槌を打ちながら、高まる鼓動を気づかれないようにした。