―――刹那、


「……あ、れ?」


中庭を挟んだ向こう側の廊下、氷室さんらしき人が歩いているのを発見。でも、見ただけでパアッと晴れ渡った気持ちは、直後視界に入った氷室さんを追いかける女生徒の姿によってすぐさま粉砕された。

チクリと痛む胸が、その子が鈴木さんであるとあたしに示唆する。
示唆するどころか、多分、恐らく、今のは彼女で間違いないだろう。

同じ生徒会なんだから、
一緒に仕事するのは当たり前。

学祭期間中はあたしとの関わりより、
生徒会の仕事が大切。

いくらあたしでも、それくらいわかってる。仕方ないことだと、理解もしてる。

でも。

いくら何でも昨日の今日で?
どうしてそんな風に笑って、氷室さんの隣にいるの…否、どうして隣にいるのが鈴木さんなの。