どこかで道に迷ってしまった"Z"も、きっとそうなりたくてなった訳じゃない

彼をそうさせた何かが何なのかは私には分からないけど

きっと彼だけが悪い訳じゃない気がする

色んな事が重なった結果が

少し彼を惑わせたのかもしれない



それはきっと誰にだって起る可能性のある事

私にだって明にだって

全ての人に



今回だって、私がスッパリ明を諦めていたら

颯太先輩の策略にハマっていたら


ここにこうして居なかったかもしれない

…きっと居なかった



だから私はちゃんと見極めて歩いて行かないと

自分のやるべきコト

見極めるモノ

信じるモノ

自分の進む道



しっかり歩いて行こう




決意を新たにした私の横には笑顔の明

明の瞳からも前に進む決意を感じた

みんなが見守る中

明はゆっくりと口を開く



「雫、俺の気持ちは昔も今もこれからもずっと変らない。
学校生活もやりたい事も納得いってからでいい。
その時は俺と結婚して下さい。」




柔らかい光と風が私達を包むテラス


明は真剣な顔で真直ぐに私を見て

プロポーズの言葉をくれた



再会した後からさっきまで、答える事も出来ないって思っていた気持ち


私、もう答えていいんだよね