身動きのとれない私は思わず目をギュッと呟いて顔を背けた



「約束破ったら、罰ゲームだよ?」



先輩の冷ややかな声が耳元で響く



「分ってるよ。」



そう答えるのがやっと。

自分の手足が微かに震えて血の気が引く様だった。



「ほら戻るよ。」


「…うん。」



颯太先輩に手を引かれてソファーから立ち上がる。


パーティー会場に戻る足取りは重い。


作戦とはいえ美香先輩にベタベタされる明を見るのも

颯太先輩と仲良くする私を明に見られるのも辛い


それに明の気持ちの強さが辛い

自分の気持ちを明に言えないのが


何より一番辛い



明のキス


頭では罪悪感を感じているけど


一瞬のキスの間

唇が離れた瞬間も次の瞬間も

嬉しくて仕方がなかった



今だって思い出すだけで


心がフワフワとうかれる




やっぱりダメかもしれない

気持ち押えるのムリかもしれない


明の事好きな気持ちが


明に会う度

我慢する度


増していく



この感情を無視しようとする度


悲鳴を上げる私の心は


そろそろ


もう


限界が近いのかもしれない