「大体こんな時に笠原も居ないし、余計に怪しいし…
それにアンナちゃんもずっと休んでるんだろ…?
アンナちゃんも何か関係があるかもしれないし。
だから今すぐ、美香と颯太の提案からお互い降りるべきじゃない。」



明は真剣な表情で私の手をギュッと握って言った。



「…うん、分った。
そうだね。
そうする、ありがとう。
ごめんね、明…。」



私は明に本当に申し訳ない気持ちになる。


明は私の為に、自分を犠牲にして守ろうとしてくれてる

私は明の事フったのに


まだ私を好きだといって

私を助けようとしてくれてる


思わず感情が涙となって溢れてきそうになる

ココで泣くのは卑怯すぎる


ダメだ

泣いたら絶対にダメ!



「雫…。」



明に名前を呼ばれた次の瞬間

明の唇が私の唇に軽く触れた


明…?



そのまま私の身体は明の腕に包まれる。



キス

明キスした?



明は動揺している私を壊れ物みたいに


大事に大事に優しく包み込む