「ここだよ。」



そう言われて見上げたビルは豪華なホテルを少しだけ小さくした様な重厚な造りの建物だった。


入口には沢山の花や垂れ幕が盛大に飾られていてとても華やか


基本はクラブだけど、バーティから大小イベントにまで使用可能なホール

映画とかドラマとかにも出てきそうなオシャレな内装に、思わずウキウキしてしまう。


ロビーを抜けて中央にある大階段を登った先が会場で、少し薄暗い室内にはDJの鳴らす音楽が鳴り響いていた。

もうイベントが始まっていて、人もいっぱい。


人の間を縫ってドリンクをオーダーしに行く。



飲み物が揃った所で、立って囲むのに丁度良い円いテーブルを囲み全然めでたくもないけど取りあえずの



「「かんぱ~い!」」



淡いピンク色の弾ける液体が揺らめくグラスに口をつける。



「あっ!佐久間さんだ!
俺、ちょっと挨拶してくるから。
悪いけど、3人ともちょっとテキトーにやってて?」


「え゙…。」



マジっすか!?


そう突込む間も無いまま

颯太先輩はライムが縁に刺さったグラスを置いて、佐久間さんと言う人の元へ人を掻き分け奥へと消えて行く。