「…別に?
じゃあ俺行くから。」
先輩は私に背を向けて保健室からでて行く。
ドアの前で立ち止って振り向く。
「雫ちゃんさぁ、明の事好きなんだろ?
なんでアンナちゃんの応援する訳?」
「…なんでって。」
またその瞳
私の瞳の奥の奥を見てる
私も颯太先輩の真意を見ようとするけど
ガードが固いのか見えない。
「あんたも気持ちもその程度って事か…。
しっかしアンナちゃんも気付いてて雫ちゃんに協力させるなんてさ、キレイな顔して何気に酷いよね。
…まぁ、明と美香付き合い出したからもぅどうにもならないけどね。」
アンナが気付いてる?
颯太先輩はフッと笑いながらそう言い残して保健室を出て行った。
"付き合い出した"
知ってるよ
私は明に対してどうにも出来ない事も
よく分かってるよ
分かってるから余計に
相手がせめてアンナじゃなくて美香先輩な事に
ショックで動揺してるんだから
これ以上気持ちを乱してくれるな!!
みんなバカヤロー!