差し出された手に戸惑ってると、颯太先輩は不機嫌そうに



「とって食わねぇよ。」



そう言って私の腕を掴んで、勢いよく引き揚げる。


雫の一本釣り?



朝のSHRの開始を知らせるチャイムが校内に鳴り響く。



「つーか、お前膝擦りむいてる。」


「あ、ホントだ。」



血でてるし
気付かなかった。



「保健室行くぞ。」


「えっ?
うわぁっ!」



颯太先輩は掴んだままだった私の腕をグイッと引いてグングン歩く。



「だっ大丈夫ですよコレ位!
HR始まるし!先輩も遅れるし!」


「うっせぇなぁ…。」



そのまま教室棟の1階にある保健室まで連行された。