夜景を背に手を繋いで歩き出した俺たちは、ふと何かを感じて同時に空を見上げた。 その瞬間、右から左にスッと星が流れるのが見えた。 「なぁ、見た?」 「見た見た!」 「幼稚園ぶりだな」 「あたしも。二人で家を抜け出して、一緒に見たときだよね」 「そうそう。懐かしいな」 繋いだ手が、また少し温かくなった気がした。 fin