でも、その手は私に当たる事はなかった。



私が不思議に思って、ゆっくり目を開くと、そこには信じられない光景があった。



由が私を助けてくれているのだ。


「っく…。女…っ子に手を挙げるのはっ…良くないと思う…。」


由は、痛みに耐えながら答えた。


「なんだお前。ふざけんなよ!」


男の子は由に食らいつき、私にかかって来ようとしていた。



でも由は、どんな事をされても、私を守ってくれた。

「も…うっ。っ…やめてっ。」

私は由の後ろ姿を涙を流しながら見るだけしか出来なかった…。