それでも最初のうちは、合格するつもりで勉強した。

なんとか合格してみせると決意した。



だが、そんな甘くなかった。

今まで、まるで勉強してなかった広幸が順調にいくほど、そんな簡単なことではなかった。


当然だった。
周りの奴らは、中学に入ってから、特に3年生になってからは毎日死ぬ程勉強してきてる。


何もしてなかった広幸が、あと半年やそこらで、どうにか出来る話じゃない。


次第に、その現実がわかってきた。


わかってくると同時に、やる気は日々減退していった。



それでも広幸は志望校を変更しなかった。



母の希望する高校を受験すると言った時の、母の嬉しそうな顔が浮かんで、




そんな事、





言えるはずなかった。