「幸輝の夢って何?」



高校の時の彼女に言われた言葉だ。



「俺の夢は幸せな家庭を作ることだよ。」



俺はそう答えた…



「平凡な夢だね!」



俺の夢は平凡なのかもしれない。



俺には母親がいない。俺が小さい時に俺と父親を捨てて家を出て行った。


父親は俺のために一日中一生懸命働いていた。だから家にいつもいないし、遊びに連れて行ってもらった記憶もない。



母親の愛情を知らない俺は物心ついた時から『将来、幸せな家庭を作ろう』と思っていた。



家に誰もいないのは寂しかったんだ…