「兄の古い友人です。」
「ティーダの、ですか。」
「はい。兄を訪ねてきてくださったのですが…
兄は宮廷ですから……」


リアの言葉に、館長は“そうですか”とだけ言うと
それ以上俺について詮索をしなくなった。

そんなに凄いのだろうか…

俺は改めて、リアの兄貴について考えた。
そういや、名前聞いたのも初めてだったな。

などと、考えているうちに
厳重に管理されたドアの前についていた。


「では、2時間後にまた扉を開けますね。」
「はい。」


そう言うと館長は施錠されていた
ドアを開けた。
大きな鍵を鍵穴に差込み、ブツブツと呪文のようなものを唱えた。
その瞬間、鍵が勝手にまわり、ガチャンと音を立ててドアが開かれた。
目の前には古い本が沢山並んでいて
俺はその蔵書量に感嘆していた。


「では、また。」


俺とリアが中に入ると
再びガチャンと音がし、振り返ればそこにあったはずのドアがなくなっていた。

「へ!??
ド、ドアは!???」
「ここは図書館の中に作られた異空間だから、中から外には出れないわ。」

それだけ言うと、リアは歩き出した。