目が覚めれば
元の世界に戻れるって思ってた。

でもそこは、元の世界じゃなくて
最初に目が覚めた場所。
そして、昨日俺が眠りについた場所だった。


「んな都合よく出来てるわけないよな。」


俺は一人窓の外を眺め苦笑した。

―コンコン

ドアがノックされ
俺の返事を待たずにドアは開かれた。


「イチ?」


ひょっこりと顔を見せたのは
昨日と変わらずリアだった。

知り合いなんていないこの世界。
だけど、こうやって寝る場所があってご飯も食べられるのは
リアのおかげ。
もっとも、リアが俺を呼び出さなければ
俺は元居た世界でのんびりと過ごしていたに違いない。


「おはよう。」
「おはよう、イチ。」


俺はリアを見つめ笑った。
リアも笑い返し、挨拶を返してくれた。