俺はすぐに謝った。
悲しい顔をしてるってことは
まだ傷が癒えてないってことだと思うし
きっと俺は余計な事を聞いてしまったに違いない。


「変なイチ。
謝ることなんてないよ?
お母さんはもともと病弱だったし、お父さんは一国を守って命を落としたのよ?
それを恥じることは無いわ。
イチの世界ではそんなこと無いの?」


リアの言葉に俺はふと考えた。
俺の住む世界はどうなんだろうって。


「俺の世界は…
すごく平和だけど悲しい世界だよ。
人間の敵は人間しか居なくて、死ぬなんてこともめったに無い。
大体の病気は治るし
延命措置も充実してる。」
「イチの居る世界は…
充実してるけど寂しい世界ね。」