だけど思いの外親は見つからず。


一階のフロアのベンチに二人で腰かける。

売店で買った温かなココアのカップをその子に手渡して、飲んでいいよと声をかけるとフーッと息を吹きかけた。


そして、なぜか。

あたしの前に差し出されたココアのカップ。


もしかしてあたしに?

そう聞くと、コクンと頷いた。


拍子抜けして受け取って、それを一口飲んでみる。


何でかな。

その子の優しさだと感じたら、胸に温かい感情が溢れだしてきた。