「…河原の親戚が海の家してて…」

「そこでバイトすんの!?」

「人手が足りないって言われて…」

「それでOKしたの!?」

「…うん…」


私は溜息をついた。

拓海の優しい性格は私が1番知ってる。

人が困ってるところを
ほっとけない男なんだよね…。


「私も行く!」

「いや…力仕事らしいから…」

「え…そうなんだ」

「だから心配しないで」


拓海はニコッと笑って
私のおでこにキスした。


「給料でなんか買ってあげる」

「…ありがと…」

「夏休みの最初の2週間だけだから」

「それが終わったら遊んでね?」

「もちろん!すぐ連絡するし!」


拓海はそう約束した…。

だけど…結局…夏休みに
私は拓海と遊べなかった。