そして俺から離れて歩き出してしまった。




「和泉チャァン」




その背中に声をかけるけど、和泉チャンは俺を完全無視。




……あーぁ。




怒らせちゃった。




「待ってよ。和泉チャン」




俺は慌ててその背中を追いかけた瞬間。




本棚の影から、腕が伸びてきてその腕によって俺の頭が叩かれた。




「あ痛っ」




パシッっていい音がして、その音とともに頭に痛みが走った。




すると本棚の影から明弥が無表情で現れた。




「毎回毎回イチャつくな。鬱陶しい」




そう言って明弥は俺を睨んだ。




あーぁ。怒られちった。