何てうっとり見ていると、和泉チャンは冷たい目で俺を睨んで、




「ずっと見られるとかキモいんだけど。ちゃんと手伝いなさいよ」




そう冷たく一言呟いてフイッと視線を逸らされてしまった。




あはは……。




怒られちゃった。




相変わらず、和泉チャンの毒舌は健在。




「はーい」




怒られたけど、俺はニコニコしながら和泉チャンの後を追った。




これがいつもの会話。




和泉チャンが向き合っている高い本棚に俺も向き合って本を整理する。




すると本棚に視線を向けたまま和泉チャンは口を開いた。




「貴。いつも見てるんじゃなくてちゃんとやってよね？」




ちょっと不機嫌な和泉チャン。




そんな和泉チャンに俺は笑顔で言い返す。




「ごめんね？でも和泉チャンが可愛いから、ついね」