「兄さん・・・。」



リョウは困った顔で隆志を見る。



「あぁ、行くか。」


「何処に行くの?」


「飯だ。」


「じゃあ、私も行くわ。」



当たり前のように隆志の車に近づく。


それも、助手席のドアの前・・・。



「お前はこっちだ。」



えっ?こっちって、隆志・・・都子さんを連れて行くつもりなの?


私の心を察したのか、リョウは隆志に話しかける。



「兄さん、3人じゃないの?」


「しょうがないだろ。」



しょうがないって・・・。


さっき、あなたとキスしていた人が一緒なんて私耐えられない。



「私・・・、用事思い出しちゃった。先に帰るね。」



本当は用事なんてないのに・・・。