「あたしも、好きだったの……。でも、いっつも橘君を怒らせる事ばっかしちゃって……これ以上嫌われたらどうしようかって思うとビクッとしちゃって……」
そう言って相武は大泣きした。
「そっか……悪かったな」
微笑みながら俺は相武の頭を撫でた。
お互い空回ってたんだな。
それが分かると、今までの苛々が馬鹿らしくなってきた。
「相武好きだよ」
そう言って驚く相武なんて無視して。
小さな後頭部を引き寄せて唇を重ねた。
赤くなる相武の顔も見ずに。
口をパクパクしてる相武なんて見なかった。
ただ……その後の俺の心臓は、目茶苦茶五月蝿かった。