「和泉チャンにそっくり」
こいつのいう、“和泉チャン”とはこいつの彼女。
俺と明弥、そして“和泉チャン”こと千田は同じ図書委員で知ってる。
千田はクールビューティーって言葉が似合うほどクールで。
癒し系の貴とは仲がいい。
「似てるか……?」
上を見上げて、千田を思い出しながら呟く。
すると貴は微笑みながら何度も頷いた。
「似てるよ。不器用なとことか」
不器用……。
「俺って不器用なのか?」
「不器用でしょ。だって、今だってこうしてどう接したらいいのか悩んでる」
その言葉に俺はバッと貴を見た。
こいつ……。知ってるな?