静かな図書室。
誰にも邪魔されない静かな場所である図書室が、俺の縄張りだったりする。
俺の名前は、橘明弥。
読書が趣味。
図書室に居る時間が長くなるから……と、図書委員も務めている俺は、最近苛立ちを覚えている。
それは、視力の弱い俺が眼鏡を忘れて目を細めているのが原因ではなく……。
ドサ。
「うわぁ」
静かな図書室に響く大きな物音。
その音に視線を向けたのは俺だけじゃない。
その音を響かせたのは、図書委員でもなく、本が好きな訳でもない相武菜帆。
そいつの友達で俺とも気が合う歌唄の友達でもあるそいつは、歌唄と一緒に図書室に来る。