勢いあまって、バサァッと直角なおじぎをしてしまった俺。

もう嫌だ、こんな俺・・・・。

それでも、頭を上げると先輩がクスクス笑っていたから、ちょっとは自己嫌悪から抜け出せた。


「・・・・それで、先輩に2、3聞きたいことがありまして」


改めて話を切り出す。

笑っていた先輩はすぐに真顔になって“うん”と頷き、俺の言葉を待ってくれた。


「先輩は、その・・・・190cmが好きなんじゃないんですか? 前に晴奈先輩と話してるのを聞いちゃったとき、チョコ渡すの迷ってるって言ってましたよね」

「うん、そうだね」

「だから、なんで俺なのか分かんないんス。それに、中学のとき好きだったヤツと似てる俺でいいのかな、って思うんス」

「うん、そうだよね」

「・・・・」

「・・・・」


しーん。

微妙な空気が流れる。

何かを考えている顔の先輩と、その答えが聞きたい俺と・・・・。


「あの告白の仕方はダメだよね、うん。ハチがそう言うのも当たり前だし。ごめん」


しばらくして先輩が口を開いた。